むかし、八重山(やえやま)石垣島(いしがきじま)西表島(いりおもてじま)の間にある黒島という小さな島に、マーペーという美しいむすめと、カニムイというたくましい若者がいたって。

マーペーとカニムイは小さいころからの仲良し。
家も、中道と呼ばれる道をはさんだ向かいにあるものだから、ずっと、それこそ朝から晩までいっしょになって遊んだりケンカしたりして過ごしていたって。

村の人も、マーペーとカニムイの仲の良さを知っていて、あまりに似合いの二人だから、
「いつになったらけっこんするのかなぁ」
と言っていたんだって。