沖縄では古来、宇宙をつかさどり創造の神である天帝、海の彼方にあるニライ・カナイからの来訪神、加えて琉球神話の神であるアマミキヨの三つの神を最高神とし、その最高神のもとに様々な神が宿り、人々の暮らしと結びつくと信じられてきた。
最高神への取次役とされるのは、各家庭の台所にまつられる火の神(ヒヌカン)であり、まず最初に拝まれる。
神をまつる聖地である御嶽(ウタキ)には、村や村人を守護する神がいると考え、作物の豊穰などを祈った。
また泉や井戸、大木や巨石にも神が宿ると考え、悪霊からの守護を祈願した。
いっぽう、古来の信仰は外来の信仰と相まって変容していく。13世紀の後半に日本から仏教が伝わり、14世紀末には中国との交流が盛んになり、その後もさまざまな信仰や習俗がもたらされた。そのため、古来の信仰と、それに伴う神事や祭事は複雑に混ざり合い、独自の信仰を形作ってきたといえる。
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