加飾の技法は、多種多様で、その種類の多さは、琉球の国情に由来するものである。総じて中国的な要素が強く感じられ、東南アジア、日本、朝鮮の要素もうかがえるが独自に消化して琉球独持の様式をつくりあげているといえる。

 

沈金、螺鈿、箔絵、密陀絵、漆絵、堆錦、堆彩漆、堆朱、存清、等多彩で、また、それぞれの技法を複合的に使用した例も数多く存在している。しかし、時代が下り、量産されるようになると企業化され、それぞれの技法のみで製作されるようになった。

   

特筆すべきことは、琉球王朝時代の漆器はデザインと技術がすばらしいと云われているが、その理由は、王府内に貝摺奉行を設置し、王府の絵師は貝摺奉行所の絵師でもあった。絵師達のデザインと貝摺師の技術が、互いに競い合い、時間をおしまず、琉球王国の名において近隣諸国への献上品、あるいは貿易品として製作されたことにある。現在のような民間工房では、とうてい不可能な保護政策によって育まれたからこそ可能な高品質の作品が生まれたのである。

  琉球漆器考
  琉球漆器考