琉球の漆器は、14世紀末ごろに中国から入ってきたと言われています。その頃、琉球王国は、日本でつくられたと思われる生漆や漆芸品、螺鈿用の螺殻を中国へ大量に輸出していました。
15、16世紀になると琉球漆器は盛んに製作されていきます。16世紀にすでに高度に発達した琉球独自の漆芸品をつくっていました。
その頃つくられた琉球漆器のなかには、驚くべきことに沈金や螺鈿の技法がすでに取り入れられていました。
これらの琉球漆器には、中国元代の鎗金にもひけをとらない細密な文様を施した沈金や、目もくらむほどの鮮やかな朱漆地に大胆に、そしてのびやかに模様を描いた螺鈿など、琉球独特の漆芸文化が華開いていたのです。 |