県内最大の干潟が広がる漫湖干潟(まんこひがた)は、那覇市と南風原町(はえばるちょう)側を流れる国場(こくば)川と、豊見城村側を流れる饒波(のは)川が交叉(こうさ)する河口にあります。最近一部干潟の埋め立てがすすみ、大きな橋ができるなど人工構築物が多くなりましたが、饒波川河口側にメヒルギを中心としたマングローブ林が広がり、野鳥のすみかを提供しています。このことから、野鳥の集団飛来地として、250haの広さが国設の鳥獣保護区(ちょうじゅうほごく)になっています。
 ここには留鳥(りゅうちょう)のバンが生息し、秋季から冬季にかけてキアシシギ、ソリハシシギ、ダイシャクシギ、チュウシャクシギ、コガモ、オナガガモ、ダイサギ、アオサギ、ムナグロ、ダイゼン、メダイチドリ、アカアシシギ、アオアシシギ、ハマシギ、ユリカモメ、ズグロカモメなどが飛来します。県内では冬季に野鳥の種類数や個体数とも最も多い場所です。ときには世界的に数の少ないクロツラヘラサギやへラサギ、ソリハシセイタカシギ、コウノトリなどが見られることもあります。
 観察には那覇市側、豊見城村側いずれの干潟もよいのですが、豊見城側の協同病院前や豊見城高校前の干潟がよいでしょう。ここでは潮の干満により干潟が出現しますので、干潮を見計らって観察にでかけるようにしましょう。また、満潮にかかると上げ潮に追われて休息地となる饒波川側のマングローブ林に、野鳥は集まってきますので、この休息地に集まる時間帯に観察するのもよいでしょう。
 本干潟は、1999年5月にラムサール条約に基づく国際的に保全すべき湿地として登録されました。
秋季・冬季・春季
望遠鏡
 市外線で与那原(よなばる)線や真玉橋線で古蔵中前や真玉橋で下車し、海岸側の河川干潟に向かいます。
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