沖縄のお盆に踊られるエイサーは、17世紀に伝わった念仏歌がもとになり、始まったといわれる。しかし、エイサーはもともと沖縄にあった集団舞踊ではなかったのかというミステリーがある。というのは、エイサーという言葉は仏教が琉球に伝来する前からあったと考えられるからだ。『おもろさうし』に“ゑさ”という言葉があり、それは歌舞された集団舞踊の型を意味しているからである。すなわち、エイサーはもともと沖縄土着の踊りだったわけである。つまり、元祖エイサーは歴史の闇のなかにほうむられてしまったことになる。
写真提供:島袋 浩(STUDIO PLANET)