三線(サンシン)


江戸与那(えどよな)

名工、与那城の作で、「江戸上り」に用いられたことからこの名があり、1855年の江戸上りの際に島津家に献上されたといわれている。戦前、東恩納寛惇(ひがしおんなかんじゅん)が東京で発見し、首里城内の沖縄郷土博物館に陳列したが、沖縄戦で再び行方不明になっていた。ところが、ハワイで東恩納寛惇に再度発見され、1954(昭和29)年に博物館に寄贈された。1956(昭和31)年県指定有形文化財。沖縄県立博物館蔵


盛嶋開鐘(もりしまケージョー)

尚家伝来の五開鐘のひとつで、沖縄の三線の中でもっとも多い真壁(まかべ)型の名器。材質はリュウキュウコクタン。王府時代の製作と推定される。戦後、行方不明になっていたが、1982(昭和57)年に県立博物館に寄贈された。「開鐘」とは明方につく寺の鐘のこと。響きのよさを鐘にたとえたもので、特に真壁型の三線の名器につけられる。1994(平成6)年県指定有形文化財。沖縄県立博物館蔵