1972(昭和47)年の本土復帰や、1975(昭和50)年の海洋博の頃から、北部の山地を中心に急速な環境開発が始まった。雨が降ると赤土が海へ流れて深刻な海洋(赤土)汚染が問題となった。ダム開発は河川のシステムに変化をまねき、生態系にも影響を及ぼすようになった。 一方、開発が進んだ中南部は、川の全流域に人家・工場・畜舎などが立ち並び、生活排水、産業排水による水の汚染が心配されている。
環境問題に取り組む人々や団体が各地で増えているなか、沖縄の水問題は21世紀を迎え、新たな岐路を迎えている。環境問題は、決して私たちの生活とかけ離れた問題ではないとして、住民あげての河川の浄化を促す試みも出てきて、人々の生活意識や水への意識にも変化が起き始めている。 私たちは、先人たちの困苦をしのび、自然とともに歩んだいにしえの知恵に学ぶことを求められているのかもしれない。 自然とのゆるやかな共生を目ざし、沖縄の水紀行はあらたな旅をはじめつつある。 01.古代の水事情 |