解説
雨どーい(沖縄本島・首里)

 亜熱帯地方に属する南西諸島は、雨がよく降ります。
本土より、よく降るかどうかは知らないのですが、雨を歌った琉歌やわらべうたは少なくありません。
 「雨(あーみー)どーい」は、「雨がやってくるぞ、田場(屋号)のお家に隠れろよ。おかごでギッチリギッチリ行くのは当山(地名)に行くのだな。唐はどこだ。大和(日本)の後ろの方だ」という意味ですが、しりとりのような、このわらべうたの歌詞が実によく出来ているのは、書いてみるとわかります。

 
雨雨ふぁーふぁ
©GIKAN

・・・・
とーやまかい  (当山かい)
・・・ ・
とーや まーやが(唐はどこか)
・・
やまとぅぬくし (大和の後ろ)
といった具合いに、子供たちの機知に富んだ天才ぶりは、大人も驚くばかりです。

 この他、雨を歌ったわらべうたに、
  雨が降る降る 古堅さん
  雨がやむやむ 山□さん(那覇)
 これも、しりとりうたですが、面白いものです。

 また、雨は子供たちにとって、外で遊べなくなるばかりか、家の中で仕事をさせられたり、せっかく予定していたことができなくなるので、うらんだりするのは、大人と同じです。

【比較】
雨ま一よー(八重山・石垣市登野城)

雨(あーみー)まーよ一降(ふ)いたぼんな
太陽(てぃーだー)まーよー上(あが)りたぼり
ユイヤサッサ
ポンポンポン

雨よ降らないで
お日様よ照ってくれ
ユイヤサッサ
ポンポンポン

雨雨ふあーふあ一(八重山・竹富島

雨雨(あみあみ)ふぁーふあ一
雨雨(あみあみ)ふぁーふあ一
なら子(ふぁ)や
やーしゃてりや
牛(うせ)まん馬(んま)まん
ガンカラ
ガンカラシー
沖縄上(うきなんぬぶ)り
大和上(やまとぅんぬぶ)り
ぼんぼんぶりかましってぃ
くーよー
雨雨(あみあみ)ふぁーふあ一
雨雨(あみあみ)ふぁーふあ一

雨を食べよう
雨を食べよう
私の子は
お腹がすいている
牛や馬に乗って
ガンカラ
ガンカラシー
沖縄へも
大和へも上り
桃をもいで食べて
来なさい
雨を食べよう
雨を食べよう

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