安谷川御嶽(アダニガーウタキ)は、那覇市首里当蔵町にある県立博物館の北東に位置する。『琉球国由来記』(1713年)によると、王府時代の高級女神官の一人、首里大阿母志良礼(しゅりのおおあむしられ)がつかさどったウタキの一つとされる。
拝殿の役目をするアーチ門は、境内を内と外に分けていて、内側には神聖な岩と木を中心とした石囲いがあり、その背後に回ると洞穴がある。石の香炉があるアーチ門の外側は石畳の庭になっていて、その左右に石碑がある。
ウタキ前のカラー舗装された坂道「安谷川坂(アダニガービラ)」は、首里城から浦添に続く西海道(さいかいどう)ルートの一部。
坂の名の由来となった「安谷川(アダニガー)」という井戸の前を過ぎ、坂を降りたあたりには、「儀保川(ジーブガーラ)」とよばれる真嘉比川が流れており、下橋(しものはし)という小さな橋がかかっている。 |