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程順則(ていじゅんそく)は、きけんな船旅をおして中国に何度もわたって勉強した人で、日本の学者たちとも交流を深めた。道とく者であり、学者であり、詩人でもあった。
程順則は1663年、久米村(くめむら)のゆたかな家に生まれた。教育熱心な父とやさしい母のもと、本を読むのが好きなすなおな子どもに育った。
ある日のこと、順則が外で遊んでいると、どこからか一羽のニワトリをつかまえてきた友だちに、「このニワトリを食べよう」といわれた。「そのニワトリは君のものではないだろう」と順則はとめたが、友だちがいうことをきかなかったため、しかたなく「わかった。それならば私の家で料理しよう」と友だちを家につれていき、ニワトリをごちそうした。
その数日後、食べたはずのニワトリが生きているのを見た友だちは、実は順則の家のニワトリを食べていたことに気づいた。そして、自分のニワトリを殺してまで友だちのまちがいを正そうとした順則にたいして、はずかしくなってしまったという。 |
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