●アメリカの食文化(あめりかのしょくぶんか)

おかしを配る米兵に,むらがる子どもたち。写真提供:沖縄県公文書館。

 戦中・戦後,米軍は難民となった沖縄の人たちに,食糧や衣類を無料で支給しました。
 衣類はHBTとよばれた作業用軍服で,女性は軍服やパラシュートの布で洋服をつくって着ていました。
 配給される食糧品は戦闘部隊のあまった物資で,米・トウモロコシ・豆などのほか,ポークランチョンミート・ポテトビーフハッシュ・コンビーフのカンヅメやバター・チーズなど,沖縄のほとんどの人たちがはじめて口にするものばかりでした。子どもたちは,チョコレートやガム,アイスクリームなどをもとめて米兵にむらがりました。
 しかし,食糧不足になやまされた地域も多く,病気や栄養失調でなくなる人もいました。
 貧しい暮らしをしていた沖縄の人々にとって,アメリカ軍がもたらした食糧は,新鮮なおどろきと魅力にみちていました。それは,現在ポピュラーなメニューとなっている「ポーク卵」が示すように,戦後沖縄の食生活にも大きな影響をあたえました。



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