●大交易時代(だいこうえきじだい)

150人ほどがのりこんだ進貢船(しんこうせん)。沖縄県立博物館蔵。

 沖縄は周囲を海にかこまれた,資源にとぼしい小さな島国です。しかし,目を海外に向け,船を大海のかけ橋にしたとき,沖縄の可能性はかぎりなく広がっていきます。その可能性を最大限においもとめていった時代があります。
 14世紀末から16世紀なかばの,“大交易時代”とよばれたおよそ150年間のことです。
 琉球人は中国皇帝から冊封(さっぽう=国王として承認)をうけ,その強大な力を背景に,東アジアから東南アジアにまたがる中継貿易国として栄えました。沖縄の古いことばで真南蛮(マナバン)とよばれる東南アジアのルソン(フィリピン)・安南(ベトナム)・シャム(タイ)・ジャワ・スンダ・パレンバン(インドネシア)・マラッカ(マレーシア)を舞台に,大交易を展開したのです。
 そして,これらの地で買いいれた蘇木(そぼく=赤い色の染料)や香料(こうりょう)・象牙(ぞうげ)の加工品など,南方産の品々を日本や朝鮮,そして中国で売りさばき,大きな利益をあげていたのです。



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