●冊封使(さっぽうし)

首里城に向かう冊封使の正使と副使。「冊封使行列図」(18世紀)の一場面。沖縄県立博物館蔵。

 冊封使(さっぽうし)が琉球にきておこなう最初の儀式は,崇元寺(そうげんじ)でおこなわれる先王の葬儀でした。これは諭祭(ゆさい)とよばれ,新しい国王を任命する前におこなうことで,王朝が正しく継続されていることを中国皇帝が確認するためのものでした。
 諭祭が終わると,日をあらためて首里城正殿(しゅりじょうせいでん)前の御庭(うなー)で,盛大に新国王の任命式がおこなわれました。こうして琉球は,冊封体制下の東アジア社会の一員として,正式にみとめられたのです。
 冊封の儀式は,14世紀末から19世紀末までの約500年間に,22回(南山,北山などを加えると25回)おこなわれました。



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