●貝塚文化(かいづかぶんか)

竪穴(たてあな)式住居のあとなどが発見された,沖縄貝塚時代中期の仲原遺跡。

 沖縄諸島では,今から6600年前に九州・奄美(あまみ)からやってきた人々によって縄文文化が伝えられ,その影響で貝塚文化が生み出されました。
 日本本土では,紀元前4世紀ころになると,縄文文化にかわって水稲農業と鉄や青銅器を使用する弥生(やよい)文化がはじまります。しかし,奄美・沖縄諸島では,海や山の産物にたよる生活が10〜12世紀ごろまでつづきました。
 貝塚時代に使われた土器の形や作りかたなどは,縄文土器とよく似ていますが,石器などの種類や形にはちがいがあります。
 また,縄文人の精神文化をあらわす土偶(どぐう)なども沖縄では見つからず,かわりにジュゴンの骨や南方産の貝で作ったかざりなどが,発見されています。
 このようなことから,沖縄の貝塚文化と本土の縄文文化には違いがあることがわかります。沖縄の先史文化は,本土から伝わった縄文文化が土台になったものの,しだいに沖縄独自の発展をしたということができます。



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