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古典舞踊
天川 天川(アマカー)/ 04:05
愛しい人と誓いあった縁を大切にしたい、という女性の思いを「天川節」と「仲順節」にのり、しなやかな手踊りで表現した古典女踊り。衣裳は、緋色の胴衣にかかんをつけ紅型をうちかけにし紫の長巾で前つぼりにして赤足袋をはく。七踊りの一つ。

綛掛 綛掛(カシカキ)/ 03:59
干瀬節と七尺節の曲にのり、かせとかせわくを操ることによって、愛する人への恋情がますという歌の内容・振りともわかりやすく、視覚的にも聴覚的にも訴えるものが強烈な女踊りである。古典女七踊りの中でも最も愛好者をもつ演目である。

稲まづん 稲まづん(ンニマジン)/ 05:17
古典女踊りの一曲で、七踊りよりもずっとあとの作品だといわれている。五穀の実り豊かなる様子を強調する稲穂を持って、終始大いなる喜びを表現する舞踊である。右手に持つ稲穂の振りと左手の振りの一体感は優しく美しいものがあり、体のナヨリものびやかに展開する。

四つ竹 四つ竹(ヨツダケ)/ 05:25
「踊りくわでさ節」の曲にのり、古典女踊りの着付けに花笠をかぶり手に四つ竹を持って優雅に踊る。女踊りは二曲ないし三曲構成が一般的であるが、一曲で出来あがっているのはこの踊りの古さを物語っている。栄えある席に出ることを許された、若者達の望外の喜びを美しく表現しようとした舞踊。

若衆特牛[こてい]節 若衆特牛[こてい]節(ワカシュクティブシ)/ 04:28
元服前の若衆の、長い人生における幸先をことほぐ祝儀的要素の強い舞踊の一つ。若衆踊り。出羽から舞台中央で基本立ちするまでの歩みが特徴的である。笛と太鼓の奏でるフーヒーとかけ声にのって、荘重かつ厳粛に登場する。その所作は、この演目のみで若衆の持つ意気を表現する。

高平良万歳 高平良万歳(タカデーラマンザイ)/ 04:16
田里朝直作の組踊「万歳敵討」より、主人公の謝名の子と慶運兄弟が踊る部分を抜粋し、父の仇を打つまでの四場面を「道行口説」「万歳かふすぶし」「おほんしゃりぶし」「さいんするぶし」の四曲で構成された古典二才踊り。敵を討つクライマックスまでの描写がダイナミックに表現されている見所の多い舞踊である。

上り口説 上り口説(ヌブイクドゥチ)/ 03:29
薩摩上りを命じられた首里士族の心情と旅の風景を口説きで表現した古典二才踊り。手には扇を持って終始キビキビと二才の技をみせる。二才踊りの基本的な演技が入った演目である。以前は、一節ごとに口説ばやしと称して、踊り手が唱える文言があったが、今日ではほとんど唱えられなくなっている。

ゼイ ゼイ(ゼイ)/ 04:33
緊張感のある演奏にのせて力強い足使いと手踊りで見せる古典二才踊り。ゼイの振りにあわせての扱い方が巧みで踊り全体を引き締め高めている。二才踊りの醍醐味を満喫させる舞踊である。

しゅんどう しゅんどう(シュンドウ)/ 07:18
古典舞踊の中で唯一の打ち組み舞踊で、仮面を用い江戸上りや冊封使歓待の演目の最後に「御後段踊り」(ウグダンウドゥイ)として上演されたユニークな舞踊。

雑踊り
鳩間節 鳩間節(ハトゥマブシ)/ 03:01
伊良波尹吉により、元曲「鳩間中森」のテンポを早くし、日本舞踊などの手を入れて創られた踊り。鳩間島の美しさと、五穀豊穣を予祝した歌詞で、村人の喜びを軽快に表現した作品。

金細工 金細工(カンゼークー)/ 04:53
那覇の辻(遊廓)を舞台にした作品で、登場する三人の心理描写がコミカルに表現された打組み舞踊(雑踊り)。カンゼークーとは鍛冶屋のことで、ここでは簪などの細工職人を意味する。雑踊りの中でも特異な存在で、無言劇風の構成をとり、地謡の歌にあわせて進行する。玉城盛重が明治20〜30年代に振り付けた舞踊。

花風 花風(ハナフウ)/ 05:49
雑踊りの中で準古典ともいわれている。那覇の港から船出する愛しい人を三重城の丘から見送る遊女の別れの切なさをしっとりと表現している。髪を辻結いにし紺地の絣を帯を使わないウシンチーにして着、肩に花染手巾、手に日傘をもち白足袋で踊られる。

谷茶前 谷茶前(タンチャメー)/ 03:50
谷茶とは沖縄県本島北部恩納村にある漁村のこと。若い男女が働く喜び、生きる力を表現した雑踊りである。男は櫂を持ち、女は海の幸を入れるバーキ(ザル)を持ってたくましい振りをみせる。

貫花 貫花(ヌチバナ)/ 04:34
紺地の着物を、右肩袖ぬきにした娘たちの、貫花を持っての振りはいかにも庶民的でさわやかな踊りである。芝居のサービス芸として、振り付けられたものだが、今日では群舞にあるいは一人踊りにと幅広い構成をみせ、多くの場で演じられている。

創作舞踊
黒島口説 黒島口説(クルシマクドゥチ)/ 02:05
八重山諸島黒島の風景や、人々の生活の様子を元気よく口説きながら踊り、庶民の明るさやたくましさを表現した創作舞踊。地謡によってうたわれる歌で踊るが、踊り手によるはつらつとしたハヤシ言葉が各一節一節に入って、舞台を盛り上げる。

糸満乙女 糸満乙女(イトマンオトメ)/ 03:43
真境名由康創作の雑踊り。糸満の魚売りの女性たちの生き生きとした働きぶりを表現した踊り。昭和30年3月、第3回沖縄タイムス芸術祭に発表した舞踊。創作舞踊として高い評価を得ている舞踊のひとつである。

赤馬節 赤馬節(アカンマブシ)/ 03:30
八重山で、祝宴や芸能公演の始めに歌い踊られる祝儀舞踊のこと。名馬赤馬との巡り会い、首里王の召馬となっての上国、再び持ち主にかえされるなど、数奇なドラマが歌いこまれている。宮城美能留によって、若衆たちが馬頭を扱い躍動的な祝儀舞いとして創作された舞踊である。

写真:砂川敏彦