沖縄は、東京と東南アジアのほぼ中間にあり日本の最先端及び最南端に位 置する。東西の距離が約1000kmで、南北は400kmにも及ぶ。ひとつの県としては広大な海域を有しており、大小160もの島々からなりたっている。
そのうち有人島は48である。
 日本の南端でありながら、近隣の東アジアの国々とも身近な地域と言われるのは、沖縄を中心にしてちょうど北海道までの半径2500kmまでの円内には、ウラジオストック、北京、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、台湾、香港、フィリピン、グアム島までが含まれるからである。
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 平均気温は22℃で、鹿児島より5.3℃ほど高い。年平均降水量 は2000mm以上、年平均湿度76%で、本土より約1ケ月も早い梅雨期から夏にかけては高温多湿である。雨は熱帯なみに強く降る。黒潮の影響で割合温暖で、夏は海風が炎暑をやわらげてくれる。四季の変化が本土ほど明瞭ではない亜熱帯海洋性気候に属する。
 また、東アジア季節風帯に属し、冬には強い北東の季節風が吹く。沖縄の四季の変化は、亜熱帯海洋性気候と東アジア季節風帯の二つの特徴が組み合わさったものである。
 植物は東南アジアの北限の相を示し、ガジュマルやデイゴなどの熱帯及び亜熱帯性の樹木や花々の種類がある。
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 九州と台湾の間に飛び石のように連なる弓なりに曲がる島弧は、約1000万年前は中国大陸南部と日本列島をつなぐ途中にあり、その時大陸からいろんな動物が移動してきたと伝えられる。これが分離したのは約1万年前で、琉球列島には独自な進化をとげた動物が棲息するようになった。
 やんばる(沖縄本島の北部地域)の絶滅が危ぶまれているノグチゲラ、近年発見され話題になったヤンバルクイナ、また西表島に棲息するイリオモテヤマネコなどが代表的な貴重動物である。ほかにも貴重な動植物を多数見ることができ東洋のガラパゴス島といわれる所以である。また、沖縄は珊瑚礁 の島と言われるほどの世界有数の美しさを誇るサンゴの宝庫でもある。珊瑚礁 は災害から島を救ったり豊かな漁場を提供したりして、人々の生活に密着している。
 このように沖縄は、地理的位置と気候で独自の自然環境を織り成している。

◆写真提供: 社会福祉法人 沖縄コロニー