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![]() 世界遺産に登録された識名園(しきなえん) |
この中に出てくる渡嘉敷ペークーは沖縄を代表する笑いの主人公といっていいでしょう。このお話のように、王様の近くにいる家来をギャフンといわせて王様と対等に話すことを許されたり、王様が米一俵をくれるというので、わざとやせた馬を連れて行って片方に乗せたら馬が転んでしまうので、もう一俵をもらって両方に乗せて帰ったり、王様に鳥をごちそうに呼ばれたのだが、いただいた汁の中には鳥といっしょに煮込んだ大根しかなかったので、お返しに王様を呼び、大根畑に案内して今日はたくさんのおいしい鳥汁をごちそうするといって王様をやり込めたりという話がたくさん伝えられています。 伝わる話のほとんどが、王様や役人などの権力者をとんちでもってやりこめるという内容になっており、渡嘉敷ペークーは庶民のヒーローではなかったかと思われます。現代のように、人がすべて平等であるという社会に生まれ育った私たちには考えられないのですが、むかしは、身分のちがいで人の価値が決まるということもあったはずです。渡嘉敷ペークーは、そのような時代に生きる人々が生み出した産物だったともいえるでしょう。 何か問題が起きても、真正面からぶつかるのではなく、渡嘉敷ペークーのように、頭を働かせてとんちで解決しても面白いかもしれませんよ。 |