北中城村の中村家

 フールとは、豚の飼育小屋を兼ねた便所のことで、中国から伝わったとされる。沖縄の民家特有の施設とされるが、戦後は見られない。
 石積みの区画がなされ、石敷きの床の前方に、トゥーシヌミー(東司の穴)があり、内側に向かって勾配がつく。東司の前方に一枚岩の目隠し壁があり、このなかに豚を数頭飼う。東司から用を足すと豚が人糞(じんぷん)を処理した。屋根は石造アーチ形で、茅葺き、瓦葺きがあった。