村立歴史民俗資料館
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ある期間経過した遺骨を取りだし、「洗骨」によって洗い清めたあと、あらためて納める容器が厨子甕(ずしがめ)である。
厨子甕は、洗骨葬が行なわれる地域、ほぼ沖縄全域と奄美大島に分布。墓と同様に、死者の家であると考えられている。
形は家型、箱型、甕型の三つに別けられ、家型はさらに蓋(ふた)の屋根の構造によって入母屋(いりもや)式、寄棟(よせむね)式、切妻(きりづま)式に細分できる。
厨子甕のなかで最も多いのは甕型厨子で、もっぱら陶製である。規格も大・中・小と様々のうえ、飾り付けも著しい。
最も古い厨子甕として知られているのは、浦添ようどれに納められている英祖王(在位1260〜1299年)の石厨子3基で、製作は14世紀ごろとみられている。 |