読谷村

 

 墓は、その地の地形に大きく左右される。海辺の村では海岸の洞穴を利用し、山村では岩山の洞穴を利用する。また、所有形態のうえから村墓、模合(もあい)墓、門中墓、兄弟墓、それに家族墓に分類できる。
 村墓は村の共同墓である。模合墓は寄合(ユレー)墓とも呼ばれ、知人や友人などが共同で所有する。門中墓は、父系親族集団の共同墓地。兄弟墓は、兄弟で仕立てた墓である。家族墓は、那覇市を中心に盛んに造られようになり、広がりをみせている。
 墓の形は、横穴式と平地式に大別でき、横穴式は、自然洞穴を利用した洞穴式と、人工を加えた掘込式に細分される。それらはおのおの洞穴墓と洞穴囲込墓、亀甲(かめこう)墓、破風(はふ)墓、平葺き(ひらぶき)墓、壁龕(へきがん)墓、掘込墓などに分類される。
 平地墓は、家形(やかた)式と箱形式に分けられ、それらはおのおのヌーヤ墓、家形墓、箱形墓、石積墓、塔式墓などに分類される。