沖縄を代表する伝統的な漁船。マツやアカギ・シイなどの木をくり抜いたくり舟と、板をはりあわせて造る、ハギ舟あるいはアーシブニ(合わせ舟)と呼ばれる舟がある。
 写真のサバニはマツのくり舟で、根元が船の舳先になっている。
 ハギ舟は明治以降に造られるようになったもので、鹿児島・宮崎から運んだスギ材を張りあわすために、鉄釘ではなくクサビと竹釘が使われた。
 長さは6〜7メートルほどで、決して大きなものではなかったが、船足が速く、軽量でじょうぶなサバニは、極めて合理性に富んだ船であるといわれている。

収蔵および写真提供: 沖縄県立博物館