舟の中にたまった潮水をくみ出す道具である。舟にたまった潮水のことをアカと呼ぶことから、アカトゥイともいう。
 写真のものは底が湾曲した糸満ユートゥイと呼ばれるもので、マツの根元が使われている。
 沖縄の漁師は、サバニと呼ばれる伝統的な舟を利用した。サバニは、古くはシイやマツ、あるいはスギの木を使ったくり舟であった。くり舟は小型で、しかも不安定であったので、しだいに改良が加えられ、1880(明治13)年頃、スギ板を組み合わせたハギブニが、糸満ではじめて造られた。

収蔵および写真提供: 沖縄県立博物館